仕事と音楽の間に漂うもの | ha-gakure

仕事と音楽の間に漂うもの

2012.12.19


昨年5月に復活したも束の間、長年連れ添ったドラム影山と別れねばならぬ試練があり、一旦はドレムレスの三人で復活を期しておった所にギター菅波くんが、或る日スタジオに連れて来た現在のドラム桝くん。

彼と歩き始め今年五月、レーベルオーナーでもある吉條氏の経営する箱「PANGEA」にて復復活ライブを行う事が出来ました。

全曲新曲という船出を出来たことをメンバーに感謝する次第です。

今年はha-gakureにしたら多くのライブをやった気がします。
当然、仕事と音楽の両立が厳しい局面もありましたが臨機応変に乗り切れたと思います。

新たな新曲も僕らにしたら多く恵まれ、プリプロと作曲、スタジオという良いループも生まれています。


過去の楽曲と決別した訳ではありませんが、新たなる世界観の確立を目指す今現在、今まで躊躇していた分野にも出て行ってみたい、という想いも以前から強くあり、これまでha-gakureを可愛がって下さってくれた人たちには少々物足りないキモチを与えてしまっているかもしれない、と思うこともあります。

しかし、人は環境に応じ生きて行く術を得るように、沸き上がる想いを音に転換するのが音楽である以上、必ず変化してゆくものです。
例えばアルバムごとに音楽性が違うアーティストに僕はとても強い親しみを感じます。
生活と音楽がリンクしているという事が僕にとっての「REBELE」なのです。

人は変わってゆきます。
だけど血と骨は同じ自分なのだからもっと自由で良いって思えるようになれるまで結成から10年という月日が必要でした。
僕は本当に保守的で、変化を好まない人間だからこんなに時間が必要だったんだろうと思います。

「しがらみ」っていう絡まった糸なんてものは自分で産み出して、まるで不器用な蜘蛛ですね。

人間にとって「生きて行く」という事が最も優先すべきテーマで一貫していれば地の底から沸き上がる根源的な力というものが勝手に湧き出てくるような気がします。

仕事って何ですか?
夢を具現化するもの。
いえ、喜び?それとも人生そのもの?いえいえ食うためのもの?

長い事、その自問自答を繰り返しています。今だってね。

仕事に重きを置けば置く程、「これが無くなったら」という執着が発想を硬直化させ、萎縮させ、窮屈にさせてしまっている事に思い至った時に初めて、最初の「生存の為に」という命題に帰って来られると思った訳です。

幼い頃、日本海のわかめを背中一杯背負って行商するお婆さんが月に一回ウチに来ていました。
父がわかめが好きなのでいつも母が買っておりました。

僕はお婆さんから飴などを貰い、背中一杯に背負った若布の様子を珍しそうに見ながら、色々と旅の話を聞かせてもらいました。

お婆さんは島根から来ていました。
電車、バス、徒歩、移動に移動を重ね乾燥わかめを売り歩き、また島根に帰ってゆくのです。

「すごいね」

と言うとお婆さんは、

「食べて行かんとイケンけんの。毎月待ってくれてる馴染みさんがおるけんな。大変だけど楽しいよ」

とシワだらけの顔を更にくちゃくちゃにしてニコニコと話されていたのを思い出す。

大前提に先ず「生存の為」、そしてその為の仕事が誰かの喜び「福祉」になり、それが同時に自己の喜び「自己救済」になる。
このお婆さんは生活と仕事がリンクしている。仕事は社会の誰かの為になるから代価としてお金を貰う。
自分たちの音楽だってそうあるべきだ。

お婆さん。
きっと、始まりはいつも雨だったろう。

「あぁ嫌だなぁ」

という一日一日を積み重ね、人々との縁を積み重ねて行く内、気がつけば「待っててくれる人」が一人、二人と現れ、その人々との出会いがお婆さんを変え、支え、仕事の辛さを喜びに転換せしめていった事だろう。

そう考えると仕事、いや、「継続する」という道の何と尊いことかと思う。


「生きる為」「食う為」の仕事は21世紀の今日、あまり歓迎されない風潮があるけど、翻って考えてみると「生かしてもらっている」「食わせてもらってる」という意味と同義語でもあろう。

自分が「食う為」にやっていた仕事が、何かの切っ掛けで「実は食わせて貰ってたんだ」という気持ちに変化すれば仕事の価値も変化する事だろう。
おかげさま、というマジックは他人が掛けてくれます。
自分だけの世界の自分だけの利益だけの世界に一人で立ってる気分になっている時は掛からないマジック。

へこたれ、打ち拉がれ、裏切られ、ぼろぞうきんのようになった時こそチャンス。
だからそうなるまでは、がむしゃらに自力を頼んで自己愛にマミレ、他者を蹴落とし、直進すればいい。
その直線的な道はやがて途絶えるのだから。
自ら吐散らした「しがらみ」という糸で。

そこから解放へ向かえるかどうか、それだけが僕はha-gakureに求めるものであり、世の中に問い続けて行きたい言葉の源泉です。

来年も変わらず吠えます。
どうぞ良き年末を。

明日のライブ御越し下さい。
とっても動員が厳しいです。
良かったら御一考願います。

2012.12.20(thu) at 心斎橋Live House Pangea
[QUEEN FOR A DAY vol.14]
出演:QOOLAND(東京) / ha-gakure / The Spring Summer / nogal
開場:18:30 開演:19:00
ADV 2000 DOOR 2300
プレイガイド:チケットぴあ(Pコード:187-079)、ローソンチケット(Lコード:51970)、e+
メール予約:あり
店頭販売:あり