出来れば止まらない方が良いねバンドってもんは | ha-gakure

出来れば止まらない方が良いねバンドってもんは

2012.07.23



バンドは出来る限り止まらない方が良いね。
それが出来りゃ止まってないよ。そんな正論より、それより、壊れるくらいなら止めて欲しい。
継続する意思がある「休止」なのか、もうきっとやらないな、という本音を濁す「休止」なのか、「休止」という言葉はバンドそれぞれ複雑な想いが錯綜するもんですね。
自分はね、「やりたかったけど、もう嫌」という簡単には答えの出ない状況が続き、ライブが「義務」スタジオが「習慣」という状態になって来ておったので遺憾ながら、、でした。
影山(99年立ち上げ時のオリジナルメンバーdr)とは、ずっと歩調を合わせ、時に叱咤し合い、支え合い、家も近くに住み、仕事上がり、夕方、陽が落ちるまでキャッチボールをし、彼が18、俺が22歳の時から一緒に年をとって来た仲でした。
これまでha-gakureのお陰でたくさんの出会いに恵まれました。
なのに、まさか彼と別れることになるとは夢にも思いませんでした。
「過ごした時間が長い分、誰より俺はあいつを知ってるんだ」
という自負というんでしょうか、その想いが強ければ強いほど相手に求めてしまう、あぁこういう書き方ではゲイのようですが、まぁ精神的にはそれに近い純粋なものがあったかもしれませんね。
互いの生活環境の変化、経験に基づく価値観の変化、あらがえない現実、全てが交錯した時期がありまして、少しずつ距離が空いていったように思います。心の中では求めながらもね。
まぁそんなセンチメンタルなことなどどうでも良いのです。と、いう事が言えるほど今を楽しく過ごしています。
昨夜、彼が選んだスクイズメンは素晴らしいライブを魅せてくれました。
影山は嫉妬するほどのオーラを纏い、相変わらず杭を鉄に打ち込むが如くスネアをシバイていました。胸が詰まるほどの一打一音です。
昔話したことがあります。
「お前のドラムを一番うまく引き出せるのはha-gakureだけや」
と、アムロの「僕が一番ガンダムをうまく使えるんだ」へのオマージュを込めてね、笑い話の与太話で言うた訳やけど彼喜んでくれてね、俺もまぁマジやった訳ですが。
そんな彼はもうすっかりスクイズメンになっていました。そりゃオセンチにもなりますわな。
しかし、一番うまく彼のドラムのええとこを引き出している彼らの楽曲にとても嬉しく思い存分に踊りました。
脱退してからは会うことも出来ず、何となくこのまま時が押し流してゆくのだろうかと一抹の寂しさもありましたが、ある人の粋な計らいで、脱退から約一年で同じ舞台に上がる機会を得ました。
スクイズメンとても素晴らしい曲とライブだった。それに対して素直に応えられた自分にも安堵しました。
現状に満足出来ていなかったらきっとジェラシーだな。そういうんじゃなく、素直にリスペクト出来きた環境に感謝です。
新メンバーになってドラムを叩いてくれるマス君の存在は大きいです。
我ながら大きな区切りの1日でした。これで心おきなく時期が来れば昔の曲も出来ます。
個人的な感傷はやはりあります。すぐに彼と懸命に作った曲を出来るか、と言えば無理です。だけど過去は否定したくないのです。メンバーが変わろうが、必ずやるべきなのです。やらない、というのは僕らのエゴです。それは不要なエモーショナルです。
望んでくれる人が居る限り、過去も現在も関係なく全てha-gakureの骨肉です。昨夜を機縁として僕らももっとフラットにならなきゃいけない。
彼と産み出したha-gakureというバンドは派手なキャリアも何もないですが、それなりに届く所には届いたと嬉しく思っています。
僅かばかりのネームにしがみつき、積み上げた世界観に安心し、変化を恐れ、停滞することに慣れてゆく。
出来れば休止しないことが良いのだけど、俺には無理だった。
終わりたいと言うた俺に「休止」にしておこうと、説得してくれたメンバーには感謝しかありません。そこには彼もいました。彼とはこれから人間としての一生の付き合いをします。
今ha-gakureが出してる音は以前とは異質の音です。去ってゆく人もあって当然です。
だけど壊れるより良かった。
また出会い直せるチャンスがある訳です。
音楽は日々を豊かにしてくれます。それが僕らの初心であり、今の作曲のモチベーションになっています。
そんな単純なことも忘れてしまうんだね習慣の中で。
共に頑張って来たバンドたちが30代に入り、休止するっていう話を方々で聞くようになりました。また音楽が楽しくて仕方なくなるまで存分に休んで欲しいと思います。
壊れてしまうくらいなら。
過去を支えてくれた音と人を大切にしながら。
現状は本物のゼロスタートです。何もかもなくなりましたが望むところです。これからまた出会いの旅が始まるのです。出直しの旅路です。
そう思える1日をありがとう。昨夜のShining Sound System vol.38ご来場下さった皆さんありがとう!MUGWUMPS 、スクイズメン、CUSTOM NOISE、ミラーマンありがとう。
そして、今回はとても個人的な事にも関わらず最後まで読んでくれた方々ありがとう!
8・5日曜日 梅田シャングリラで会いましょう。
盟友キツネの嫁入りの「今」を見に来てください!
ha-gakureは一番手でブチマケます!
■2012年8月5日(日)@梅田シャングリラ
スキマ産業vol.34~キツネの嫁入りレコ発編~
18:00 open
18:30 start
adv¥2,500(+1drink)
door¥3,000(+1drink)
キツネの嫁入り
山本精一UNIT(山本g + TAIQUI drums )
石橋英子×アチコ
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